「工業デザイナーって、この国では何名くらい?」

ふと、気になって、調べてみました。
職種としてのデザイナーはプロダクト、グラフィック、ファッションと分野が結構広いわけですが、資格制度が無いため、その数は掴みきれません。経済産業省の統計をみても、大手企業のインハウスデザイナーは含まれないかたちのデータで、その全容は掴み難いようです。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/file/2016handbook/04_toukei.pdf

この経産省の統計によりますと、デザイン事業所ではたらくデザイナーの総数は2014年で約4万人。
事業所の売上高比率をみると、約57%はグラフィックデザイン。工業デザインはというと5.5%。この比率を参考に、約4万人の、5.5%、2,200名が工業デザイナーなのでしょうか。
車、電子・電気機器企業の大手では一社で100名をゆうに超えると言われているインハウスデザイナーを加えても、その総数は思いのほか少ないようです。JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)の登録メンバーが現在490名程。

世の中にはいろいろな専門家/プロがいて、それぞれの分野で社会貢献が起きているわけですが、そうした専門家には国家資格が必要な分野があります。
例えば建築士、弁護士、会計士 等々。建物のデザイナーでもある建築士は国家資格が必要で、その数は約6万7000人程(google検索) が現役で活躍しているそうです。資格が故に、その統計値の入手は簡単で精度も。

輸出産業としてこの国の経済に寄与してきた車、家電産業における工業デザインの貢献は誰しも認めるところでしょうが、こうした産業も韓国・中国企業の台頭が目ざましく、デザインの質の向上には目をみはるものがあります。
工業デザイナーの数は知る由もないのですが、相当な数でしょう。

2014 Design Korea:
韓国政府からの招待でデザインコリア2014に参加。デザインコリアとは2003年から毎年開催されている、韓国のデザイン産業を主導してきた韓国最大のデザイン展示会。「産業通商資源部」主催。

ADC社では、機密保持契約が故に、そのクライアントの企業名は公にはできませんが、欧州、アジアの企業にも貢献してきました。社のWebぺージ経由での問い合わせがスタートになることが多い状況です。 契約、企画、プロジェクトの日々の交信、全て英語が故か、そのやり取りは、むしろ明解で、こうしたクライアントには「デザイン思考」の理解も進んでいて、幾つものプロジェクトが進みました。

工業デザイン分野で40年の経験をふまえ、今後の課題として、より秀逸な人材育成の必要性を感じてます。
教育機関での変革は?? デザイン会社、企業デザイン部門での人材育成は?? このプロフェッショナルには資格が必要なのか、否か??

デザイナーの総数は減少の傾向にありそうですが、この国のクリエイティブ産業の進展を願うと、より秀逸な人材の必要性が。