普段の生活で、ふと、気付くことがいろいろとあります。

今回は道路の排水溝に使われている鉄製の格子。
最近の強雨で、TVニュースでもよく見られる排水が噴き出す様子が。普通はコンクリートの蓋が引き詰められているのですが、ある間隔毎に設けられている排水を促すためのあの目立たない鉄格子です。グレイティング(Grating)と呼ぶそうですが。

この鉄格子の溝が写真のように交通の進行方向に沿っていて、これがクセモノのようです。タイヤの細いロードバイクが挟まって思いもよらぬ事故が。さらに、歩道上に、あるいは横断歩道のある場所にこの鉄格子が設置されているところもあって、自分の家族に起きたのですが高齢者が使う歩行補助器の車輪が挟まってしまいもう少しのところで事故に合うところでした。(上写真左側2枚)

これをキッカケにあちこちで観察し、ハ~ァと思いました。 単純なことで解決出来るのです。水はけの良さを狙ったその格子が縦長であることが問題なわけです。巾の狭い車輪がいとも簡単に挟まります。解決法は実に簡単で、長手方向を通行方向とは逆にすればいいわけです(上写真右側)。または長穴をやめ縦横同じ寸法で格子にすればよいのでは。(上写真アイデアスケッチ右側)
設計者のちょっとした配慮の欠如、検証の不十分さの典型でしょう。

排水溝の鉄格子のデザイン、設置において最低限必要なのは、その上を通る人の観察、杖・傘を地面につき歩く人への配慮、ベビーカー、歩行補助器、買い物カート等々の人々への配慮と観察、“何を目的に、何を配慮し、どうデザインするか”の大事さを改めて思った次第です。

デザインとは? との回答へのヒントは 普段の生活でいくらでも。